校友トピックス

学科長から令和元年、2年度卒業生に贈る言葉

はじめに 新型コロナウイルス感染症拡大という困難な状況下で武蔵野大学を巣立ち、独り社会や進学先への新たな一歩を踏み出した令和元年、2年度の卒業生の皆様、いかがお過ごしでしょうか。例年通りの卒業式が催行できず、謝恩会も十分にできなかった卒業生に向けて、大学から改めてエールをお届けします。コロナ禍の長期化で先行きが見通しづらい今だからこそ、現学科長からのメッセージでひと息ついてください。

目次

文学部

日本文学文化学科 学科長 岩城 賢太郎 准教授

令和元年・令和2年度日文卒業の皆様へ
卒業生の皆さん、元気でお過ごしでしょうか。現下の困難な状況の中でも、御仕事に、日々の生活の諸事に、忙しくしていらっしゃることでしょう。
私もそんな中、今年も「武蔵野学」の授業で、日文の初代主任教授であった土岐善麿先生が詠んだ次の歌を取り上げました。皆さんの在学中にも紹介しましたし、毎年4月に本学の聖語板を飾る歌ですから、憶えている方もいるでしょう。
ここに学ぶとはじめて立ちし校庭の 花の四月の 初心忘るべからず
世阿弥が能楽論『花鏡』に伝える「是非初心忘るべからず」「時々の初心忘るべからず」「老後の初心を忘るべからず」に拠る歌です。一般に、ものごとを学んだ若年の経験や謙虚な気持ちを忘れてはいけないという意で知られる「初心忘るべからず」ですが、土岐先生は決して若い学生たちにエールを贈る思いだけで、本学の教壇に立っていたわけではないようです。90歳の春に出演したラジオ番組では、後の2つの初心に言及しています。初学の時代から、年盛りを経て、老年に至るまで、人の一生には学びが尽きることはない、生涯をかけて学び続けなくてはならないということを一層、意識していたようです。またこの歌が収められた『むさし野十方抄』を開いてみると、先生自身が学生たちと「新しく」「ともに」学ぶ「よろこび」を、心待ちにしていたことが色々な歌から伝わってきます。
生涯、何事においても学びは尽きることがないこと、幾つになっても新しくものごとを学ぶ楽しさは訪れてくること、そうした学びへの期待、喜びを忘れることなく私たちも歩んで行きたいものです。
卒業生の皆さんの人生が、引き続き学びの喜びに溢れたものであることを願っています。

グローバル学部

グローバルコミュニケーション学科 学科長 古家 聡 教授

新しい家に住んでいても古家です(笑)。皆さん、お元気でしょうか。
私たちは困難に直面したときにそれをどう乗り越えるかで、その真価が試されることになるのではないかと思います。
皆さんも思い通りにならない状況にあっても、決して投げやりにならずに少しずつでも前向きに取り組んでいけば、きっと道は開かれると信じております。この先の人生でどのような困難に直面しても、自分なりの創意工夫で乗り越える手段を見つけていただきたいと思っております。社会はそんな人を求め、そうした人を高く評価するのではないでしょうか。
グローバルコミュニケーション学科の卒業生として、様々な形で異文化コミュニケーションを学んだことを糧に、ものごとに柔軟に対応することを忘れずに、これからも自己肯定感を持って歩んでほしいと願っております。
写真は、60歳を超えてから挑戦した東京マラソンで、42.195キロを完走したときのものです。一歩も歩かずに走り続けたので苦しかったのですが、達成感と充実感は忘れられないものになりました。

日本語コミュニケーション学科 学科長 村澤 慶昭 教授

日本語コミュニケーション学科1期生、2期生のみなさま。その後おかわりなくお過ごしでしょうか。
みなさんが開いた社会の扉の向こうの景色は想像通りでしたでしょうか。船を出したらいきなり嵐の大波に揉まれてしまったような、これほどまでに困難な日々が待っていようとは、だれが想像し得たでしょう。
しかし、そのような中でも、おひとりおひとりが「社会人」として、懸命にがんばっていらっしゃるご様子は、時折いただくご連絡からも拝察しています。新しい職場でがんばっていますよー。進学してもう一度勉強しようと考えています。ママになりました!などなど。。。私たち教員もずいぶんと元気づけられています。
みなさんは、1年次には武蔵野キャンパスで、そして2年次からは有明キャンパスで学びましたね。長いようで短かった大学生活も、日々の業務に追われていてとてもふり返る時間などないという方や、またそもそもこのサイトをご覧になることもできないような多忙な日々を過ごしている方も多いと思います。
しかし、そんなすべてのみなさんの背中に、いつまでも私たちはエールを送り続けます。ファイト! がんばれ!

Professor and Chair, Global Business Department | グローバルビジネス学科 学科長 Tatsuo Kurogi | 黒木 達雄 教授

Dear GB graduates:
I suppose you are living very busy but fulfilled days as young business persons or postgraduate students even under a difficult environment these days. Looking back the days we spent together on campus, I cannot help but think how lucky you were in those days having face-to-face classes every day. For the current students, in contrast, online classes are becoming a norm in their university life, with only temporarily resuming face-to-face during the pandemic slowdown.
In a period of uncertainty, I would like to remind you of the famous words by biologist Charles Darwin: “It is not the strongest of the species that survive, nor the most intelligent but the ones most responsive to change”. I believe his words apply to every aspect of our life today.
Finally, I look forward to seeing you again at a future homecoming event, which plans to take place every year on the Reimei festival weekend starting from year 2025.
In the mean time, I hope you stay safe, and don’t forget to enjoy your life!

法学部

法律学科 学科長 鈴木 清貴 教授

励ましなんていらないと、この文章を読み捨てるあなたであって欲しい。
武蔵野大学法学部法律学科の標榜するルール創り教育に学んだあなたは、この混迷の時期にあって、最もその力を発揮することが期待されています。コロナ以前の社会秩序に戻ろうとする力は思いのほか強いようです。あなたはこの機会に新しい社会秩序を拓くことを目指すべきです。身近なこと、自分に関することからでよいので、始めましょう。コロナ後の、新しい社会そしてそこから繋がる新しい世界を幸せにするために、果敢に新しいルールを提案しましょう。すねている場合ではないのです。今こそ学んだことを実践するときなのです。
中島敦『悟浄歎異』から次の二つの言葉を選び、あなたに贈ります。「燃え盛る火は、みずからの燃えていることを知るまい。自分は燃えているな、などと考えているうちは、まだほんとうに燃えていないのだ。」。「自由な行為とは、どうしてもそれをせずにはいられないものが内に熟してきて、おのずと外に現われる行為のいいだ。」。
共に力を尽くしてまいりましょう。

政治学科 学科長 ドナ ウィークス 教授

卒業生の皆さん、卒業してから早々と時間が経ったことでしょう。
コロナ禍の中、卒業して社会に進出し、新社会人として様々なチャレンジがあると思いますが、今後のより良い社会を創るため、在学中の勉強や経験を経て、同級生と教員との交流など、その意義がこれから明らかになると思います。
私にとって、専攻としての政治学の魅力というのは、卒業してから社会で活躍すればするほど、その学習の意味が徐々に理解できる事にあります。学生生活で得た知識を礎に、社会人として新たに自分の価値観を築き、自ら社会に広げる事で、様々な面で貢献できるはずです。
そして、初年次をはじめ、4年次の卒業論文の研究までで身につけた考察のスキル、独自の努力やチームワークで実現した問題提起と解決の経験は、ポストコロナの世界全般で役に立つと思います。
学科長として、教員として、卒業生の皆さんがより良い世界に貢献できることを信じて、応援しています。幸せな人生を送るように願っています。
最後に、remember to always ask questions, always be curious, and always, be kind to others and yourself. Good luck!

経済学部

経済学科 学科長 平湯 直子 准教授

経済学部経済学科(令和元年・二年度)卒業生の皆さん、卒業後少しの年月が過ぎましたが、お元気でお過ごしでしょうか。学生生活の最後が思いがけず、通常とは異なる状況となられた皆さんですが、その分、武蔵野大学で過ごした日々はかけがえのない貴重な思い出になっているのではないでしょうか。
経済学部経済学科では「現代社会における様々な経済現象を、理論的・統計的・歴史的にバランスよく分析・理解することを通して、急速な勢いでグローバル化の進む世界に対する深い洞察力・正確な判断力を養う」ことを目標としています。特に経済学科では、経済・社会を知り、効果的に読み解くために「データ分析」を重要視しています。皆さんが執筆された卒業論文は8割超が「データ」を用いたものでした。経済・社会の課題を解決に導くためには、客観的事実を表す「データ」を精緻に解析することが必要となります。4年間の集大成として、「データ」をもとに、多くの人が納得できる解決策を真剣に考えた皆さんの姿が思い出されます。
今、依然として思うようにならない世の中が続いています。つい目の前のことに左右されがちですが、このような時こそ、大学時代に培ったデータ分析力を発揮する機会ではないでしょうか。「データ」を見極め、現状を精緻に把握し、中長期的な視点で今、自分が何をすべきか考えてみてください。未来を繋ぐのは皆さんの今の頑張りです。皆さんのご活躍を心より祈念しております。

経営学部

経営学科 学科長 渡部 訓 教授

コロナ禍の中を卒業していった経営学科の卒業生の皆さんは、いま、ビジネスの最前線でどのような経験を積まれているのでしょうか。新人研修もオンラインで受けた方が多いのではないでしょうか。その後も、感染対策に留意しつつ、様々な制約を受け入れながら、リモートワークやオンライン会議といった従来とは異なる仕事の進め方を経験されているのではないでしょうか。
こうした従来とは異なる経験は戸惑いと緊張を少なからず伴うものですが、コロナ禍がもたらした社会の変化はITをはじめとするイノベーションを加速するものでもありますから、貴重な経験としてビジネスライフの将来に役立てていただきたいと願っています。同時に、経営学科で学んだ知識を活性化していただくことも期待しています。
皆さんが学んだ専門科目は、例えば、経営戦略はビジネスの目的、マーケティングはビジネスの手段、会計はビジネスのパフォーマンス評価について考えるとき大いに役立ちます。そして、実務経験と専門知識を結び付けることによって、予期せぬ発見や新たな気付きが得られ、創造的なビジネスが生まれる機会も訪れるのではないでしょうか。
そうした機会を得るためにも、卒業生の皆さんにおかれましては、経営学科が運営する卒業生組織MUKACに参加して、卒業生同士並びに教員との交流を深めていただきたいと願っています。皆さんと再会できる日を心待ちにしています。

人間科学部

人間科学科 学科長 岩本 操 教授

皆さん、いかがお過ごしですか?卒業の門出を直接お祝いできずに巣立っていった皆さんの「今」に思いを馳せています。新しい環境には慣れましたか?仕事や勉強は楽しいですか?大変ですか?疲れた時は自分を労わっていますか?
今なお、新型コロナウイルス感染症は予断を許さず、皆さんの生活もさまざまな影響を受けていると思います。まずは皆さんご自身、そしてご家族や身近な方々の健康と安心を第一に考えてください。そして、コロナによって一層弱い立場に置かれている人々や社会から孤立している人々の存在を心に留めてください。
人間科学科では人間を科学的に探究する知識を養うとともに、人間尊重の視点から多様な他者を理解する共感性を育んできたと思います。どうぞ、その力を存分に活かしてください。社会はあなた方を必要としています。
わたしのものさしで問うのではなく、わたしのものさしを問うのです
これはキャンパス校門にある6月の聖語版です。閉塞感が漂う今、同じキャンパスに集った皆さんと共有したいと思いました。またお会いできる日を楽しみにしています。

社会福祉学科 学科長 渡辺 裕一 教授

皆さんが武蔵野大学社会福祉学科に入学したとき、3年生・4年生の時にキャンパスに「通学」できないことを、自分が卒業するときに卒業式が予定通りに行われないことを、卒業記念パーティが開催できないことを、旅立ちのハグもそして握手すらできないことを、令和元年度の卒業生の一部と令和2年度の卒業生に至っては実習が学内での代替プログラムに移行することを、いったい誰が想像できたでしょうか。
このコロナ禍において大学卒業というビッグイベントを成し遂げた皆さんは、思うようなキャンパスライフを送ることができなかったという不本意な気持ちをもちつつ、この難しい時代を生き抜いたサバイバーであり、新しい時代を切り拓くリーダーとしての資質と経験を持った貴重な人材です。
社会には、まだまだ他者を排除する考え方や多様な経験や価値観を認めない考え方があります。武蔵野大学社会福祉学科は、「教育」とのジレンマを感じつつも、多様な人々がお互いを認め合い、学び合える場であり、そのことを大切にする学生たちが集まった場所だと、自負しています。
もしかしたら、皆さんが武蔵野大学社会福祉学科で学んだことや身につけたことを、新たな一歩を踏み出した社会の中で、否定されたり、けなされたりすることもあったかもしれません。つらい経験ではありますが、私たちはそこに、社会の変革の種を発見することができます。
皆さんは、互いに愚痴をこぼしながらも、そこで苦しい経験をしたり、弱い立場におかれたりしている同志とともに、世の中の社会的な不正義と向き合い、変化に向けて働きかけるリーダーです。
まだまだ世の中には、この先に何が起きるかわかりません。そのような先が見通せないときでも、すべての人が社会の中でその人らしく生き続けるためには、皆さんのリーダーシップが必要不可欠です。先の見えない社会だからこそ、皆さんが武蔵野大学社会福祉学科で学び、実践したソーシャルワークが求められています。皆さんの健康と活躍を、心から願っています。

工学部

環境システム学科 学科長 高橋 和枝 教授

思い返せば、2020年の冬。COVID-19という聞いたことがない名前の感染症は、あっという間に世界中の人々の生活を急変させました。令和元年度卒業生の皆さんの中には、準備していた卒業式の晴れ着を着る機会を失い、さらに卒業旅行をキャンセルした人も大勢いたと思います。それでも歯を食いしばって耐え、今では新たな場所で頑張っていると聞いています。
そして令和二年度卒業生の皆さん、学部学生最後の年に、突然、オンライン授業が始まり、アルバイトもままならない中、手探りでの大学院入試や、就職活動に駆け回るのは、想像以上に大変だったと思います。でも皆さんは立派にやり遂げました。そして会えない仲間達を思いやる気持ちをそれまで以上に持てたことは、これからの長い人生で決して無意味ではなかったと思います。一方、大都市のロックダウンが進む中、自然がひっそりと息を吹き返していました。町から騒音が消え、鳥の声が聞こえるようになった。観光客が減って川の水がきれいになったなど、その事例は事欠きません。環境を学んだ皆さんはその変化に気がついているはずです。そして従来の慣習や価値観に縛られていない皆さんこそが、経済活動優先の中で軽視されてきた環境を、本当の意味で良くすることができると信じています。
皆さんの未来を切り開くのは皆さんだけです。どうぞ身体に気を付けて、頑張って下さい。

数理工学科 学科長 高石 武史 教授

前略。
数理工学科を巣立った皆様、元気にお過ごしでしょうか。それぞれの進路でご活躍のことと思います。
それぞれの暮らしの中で日々の新しい発見があるとともに、社会の現実の中で様々な問題に立ち向かっている方もおられるかもしれません。しかし、そのようなときこそ数理工学科出身の皆様の力を発揮できるときではないでしょうか。
複雑で困難な問題に出会ったときに、見方を変えてみたり、ちょっと工夫をしてみることで、見通しよくわかりやすい問題に置き換えて考えることができたことを思い出してみて下さい。たまには在学中の教科書やノートを開いてみると思い出せることもあるでしょうし、新しい発見もあるのではないかと思います。
生活の中で時間ができたら教員や後輩に会いに大学へ来て下さい。皆さんとともに、数理工学科も日々新しく変わっていっています。新しい毎日を迎えていく中で、皆様がのびのびとご活躍していけるようにと心から祈っております。
草々

建築デザイン学科 学科長 金 政秀 教授

改めてですが、卒業おめでとうございます。本来であれば、卒業式の日に皆さんに直接、お祝いを述べるところなのですが、大変残念ながら、学科毎の学位記授与の集まりを中止致しました。既に社会あるいは大学院に進学して、仕事や研究に励んでいることと思います。皆様の今後の活躍を願ってやみません。
そこで、私からの希望が1つあります。「10年後」にインタビューをお願いします。10年後に皆さんの後輩である学生達が、真新しいスーツを着て緊張しながらインタビューすると思います。おそらく最初の質問は「学生の頃の“夢”は何でしたか?」「それはどれくらい実現しましたか?」と聞くと思います。卒業してから社会に出た後、夢に向かっている最中にあった辛かったこと、挫けたこと、失敗したこと、ちょっとうまく行ったこと、嬉しかったこと、そして思い描いていたことが叶ったことを全て伝えて欲しいです。
社会で活躍する一人でも多くの卒業生に、10年後にインタビュー出来ることを楽しみにしています。それが私の教員としての「生きがい」でもあります。それではまた元気な姿を見せてください。

教育学部

教育学科 学科長 初谷 和行 准教授

武蔵野大学では、両キャンパスの正門に、言葉(聖語)が掲げられているのを覚えているでしょうか。2021年6月の言葉は私のものさしで 問うのではなく 私のものさしを 問うのですというものでした。
まだ卒業して間もないかもしれませんが、早くも学生時代に問い続けて形成した「私のものさし」では対応できないこと、通用しないこと、変化が求められるようなことに直面している人がいるかと思います。さらに現在はコロナ禍にありますので、平時よりも難しい判断や対応に追われているかと思います。このような社会状況にある現在こそ、現在の「私のものさしを」問い直すよい機会なのではないかと思います。思い出してみてください。期待と不安が入り交じる中での入学式とオリプロ、仲間と議論し一生懸命に取り組んだ模擬授業、他の授業とは異なる学びができたプレ実習、学生として緊張の面持ちで取り組んだ教育インターンシップ・教育実習、そして卒業…。その中で形成された「私のものさし」とはどのようなものだったでしょうか。自分の中で大切にしたいものは何でしょうか。
毎年4月には、「ここに学ぶとはじめて立ちし校庭の 花の四月の初心忘るべからず」の聖語が掲げられています。時として、充実した大学生活を思い起こしながら、大学を通じて形成した「私のものさし」を改めて思い返し、現在の私のものさしを見定めつつ(頑張りすぎずに…)頑張ってください。

幼児教育学科 学科長 生井 亮司 教授

みなさん、いかがお過ごしでしょうか。幼児教育学科の生井です。コロナ禍のなかで社会人をスタートしたみなさんはそれぞれの場所で対応に追われながら頑張っているのではないかと思います。とりわけ保育や教育の現場は人と人が関わる場面をつくっていく仕事ですから尚更大変な苦労をしているかもしれません。
さて、コロナ禍はまだまだ収束の目処が見えず、それがなんであったかを語ることは難しいのですが、はからずも今回の事態は私たちにとって大切なことを気づかせてくれた、とも言えるかもしれません。それは、人と人が直接に出会うということの大切さとその可能性です。
コロナ禍において大学の授業もオンラインへと移行し、学修を継続しましたが、やはりそこには何かが抜け落ちていました。またオンラインでは勉強することは可能であったが教育は不可能であったのかもしれません。つまり教育は人と人のあいだに現象する出来事であるのです。
別のいい方をするならば、人と人のあいだやその余白があるからこそ成立するといってもよいのかもしれません。具体的には、授業と授業のあいだや、寄り道のような時間のことです。ですから、みなさんもそうした一見すると無駄に思えるような時間や待つ時間、何でもない時間を大切にしてください。
最後に、人生には迷うこともあるかもしれませんが、僕たち教員は、何があっても君たちの味方です。遠くから応援しています。でも本当に苦しくなったらいつでも会いにきてください。

薬学部

薬学科 学科長 廣谷 功 教授

昨年初めから始まった新型コロナウイルス感染拡大により、令和元年度と令和二年度の卒業に関係する行事がキャンセルになってしまいました。
皆さんは、薬学部で6年間に渡り、自然科学のより専門的な知識の習得と薬剤師という国家資格の取得に向けて、全力を注いできたことと思います。振り返ってみれば、あっと言う間の大学生活であったとは思いますが、この間の学生生活で、皆さんの知識の量は大きく蓄積されたばかりで無く、多くの友人を得たということ等、皆さんの生活の幅は大幅に広がったと思います。
しかし、最後の大切な行事をほとんど行うこと無く、卒業を迎えてしまったのは、皆さんにとってはとても無念なことだったと思いますが、我々教員にとっても一抹の物足りなさを感じると共に、遺憾な思いもありました。
令和元年度の卒業生は大学を離れてから15ヶ月、令和二年度の卒業生は3ヶ月が経ち、それぞれの場所で大学生活とは異なる新しい生活が始まっていることと思います。
卒業の行事を実施することはできませんでしたが、皆さんが武蔵野大学薬学部を卒業したということは間違いのない事実です。本学を卒業したということを誇りに思い、学んだ知識を活かしながらも新しい知識と技術を習得して、皆さんが益々ご活躍なさることを応援すると共に、祈念しております。

看護学部

看護学科 学科長 荻野 雅 教授

令和元年、2年度看護学部ご卒業の皆様
令和元年度ご卒業の皆様は社会に出て2年目となり、ご活躍のことと思います。2年度卒業の皆様は、どうにか新しい生活になれた時期でしょうか。
一昨年からのコロナ禍で、医療関連職種では様々な影響を受けていることと思います。その中で社会人としての生活を始められた皆様は、困難なこともあるかと思いますが、ぜひ、当学で学んだ看護学の知識を活かしていただければと思います。
今年度は、コロナ禍でご活躍される皆様方へ、少しでもお力になれればと思い、同窓会の企画で講演会を予定しております。ぜひ、ご参加いただきたくお願いいたします。その際、近況もどうぞお聞かせください。
今後も、看護専門職者としてのご活躍を祈念しております。ぜひ、母校である武蔵野大学看護学部にも遊びに来ていただき、後輩へのご指導もいただきたくお願いいたします。

おわりに 武蔵野大学は2024(令和6)年に創立100周年を迎えます。100年という節目を迎えるにあたり、在学生、そして卒業生の皆様に愛される母校であり続けるために、100周年記念事業に取り組んでまいりますのでご期待ください。改めてこの100周年記念事業やイベントを機に、皆様とお逢いできる日がくることを楽しみにしています。また、武蔵野大学同窓会「むらさき会」ならびに校友支援課ではすべての卒業生と母校を繋ぐ架け橋となるべく、今後さまざまな情報発信を行っていきます。皆様が折に触れて、思い出の学び舎である母校を訪れることを願っています。お待ちしています。

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