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今日をどう生きるか 令和8年度彼岸会を執り行いました|あの時、あの頃 武蔵野ヒストリア

令和8年9月12日(土)、武蔵野キャンパス雪頂講堂にて令和8年度「彼岸会(ひがんえ)」の追悼法要が執り行われました。

毎年9月中旬に営まれる彼岸会。本学では、過去1年間にご逝去された卒業生や法人および各学校等のご遺族をお招きし、亡き人を偲ぶとともに、現在の自分が祖先や周囲の多くの人々、社会のはたらきによって支えられていることを見つめ直し、いのちのつながりやご縁に感謝する機会としています。

この日は、ご遺族26名をはじめ、武蔵野大学高等学校の生徒や法人関係者が参列しました。

合掌・礼拝に始まり、礼讃歌「清風宝樹しょうふほうじゅ」の斉唱、仏前荘厳と続くと物故者名が奉読され、導師による礼讃歌「しんじんのうた」が響くなか、代表焼香が厳かに行われました。参列者は亡き人を偲びながら静かに手を合わせ、それぞれの思いを巡らせる時間となりました。

そもそも「お彼岸」ってなに?

ところで、皆さんは「お彼岸」と聞いて、何を思い浮かべるでしょうか?「亡くなった人を供養する時期のことなのでは?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。
実は「彼岸」という言葉には、雑節以外にもさまざまな意味があるようなのです。

【彼岸(ひがん)】

(1) 仏語。生死の迷いを河・海にたとえた、その向こう岸。悟りの境地をいう。⇔此岸(しがん)。
(2) 「彼岸会(ひがんえ)」の略。
(3) 雑節の一。春分の日と秋分の日をそれぞれ中日とする各7日間。春の彼岸と秋の彼岸
(4) 向こうがわの岸。

(出典|デジタル大辞泉|小学館)

今回の彼岸会では、釈徹宗総長より「仏教文化としての彼岸」と題したご法話がありました。お彼岸の時期に仏事を営み、亡き人を偲ぶ文化はどのように育まれてきたのでしょうか。総長のお話をもとに、その背景をたどってみましょう。

死について向き合う。そして今日をどう生きるかを問い直す

釈徹宗総長は、お彼岸に仏事を営み、亡き人を追悼する文化は日本独特のものであると紹介しました。

その背景の一つとして語られたのが、大乗仏教の経典『観無量寿経かんむりょうじゅきょう』に説かれる「日想観(にっそうかん・じっそうかん)」です。日想観とは、夕日を思い描き続けるとついには目の前に夕日が現れるという独特な修行法で、釈徹宗総長は「お彼岸は真西に夕日が沈む日」であることに触れながら、西は古くから「帰る世界」のシンボルとされてきたと説明しました。

「夕焼け小焼け」の歌詞を思い浮かべると、ストンと腑に落ちますね。

夕焼け 小焼けで 日が暮れて
山のお寺の 鐘が鳴る
おててつないで みなかえろう
からすと いっしょに かえりましょ

「夕焼け小焼け」
作詞:中村雨紅 作曲:草川信

そして、お彼岸に沈む夕日が、この列島に暮らす人々の宗教心を豊かにし、さまざまな文化を生み出してきたと語りました。

こうした文化は「命の行く末(=死)について真剣に向き合った結果」生まれたものであるとし、「死について向き合うということは、今日をどう生きるかということでもあります」と述べました。

さらに、「ここが大事なところです。」と前置いたうえで、「我々は普段何を大切として生きているのか、何をいらないと思って生きているのかを改めて点検するということになってきます」と語り、お彼岸は自らの生き方を見つめ直す機会でもあるとお話くださいました。

最後に、「大きな命の帰る世界や、大きな命の流れ、大きな命の働きに想いを馳せていただく。この大きな命の働きを浄土真宗では『南無阿弥陀仏』という風に表現します。そのことに、少し心を伸ばしていただく時間になれば、今日の彼岸会、深く味わえることができるんじゃないか、そんな風に思います」と、参列者へ静かに語りかけました。

亡き人への想いを胸に手を合わせるとともに、自らの生き方を見つめ直す機会となった彼岸会。参列者一人ひとりが、それぞれのご縁やいのちのつながりに思いを馳せるひとときとなったのではないでしょうか。

  • 合掌・礼拝

    合掌・礼拝

  • 手を合わせる小西聖子学長

    手を合わせる小西聖子学長

  • 法話の内容をメモする生徒の姿も

    法話の内容をメモする生徒の姿も

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