令和8年4月9日(木)・10日(金)令和8年度新入生が築地本願寺を訪れ、参拝を行いました。
「築地本願寺」と聞いてピンときた卒業生の方、あなたはかなりの武蔵野大学マスターです!

時は、1923年に起こった関東大震災までさかのぼります。震災による死者・行方不明者は約10万5千人にのぼり、関東一帯に甚大な被害をもたらしました。大規模な火災により全焼した築地本願寺の境内には日本赤十字社の仮設救護所が建てられ、被災者の救護が行われました。
翌年の1924年。救護活動が一段落したその病舎を譲り受け、学祖 高楠順次郎先生は、武蔵野大学の前身である武蔵野女子学院を創設したのです。世界的な仏教学者である高楠先生は「生きとし生けるものが幸せになるために」という仏教の根本精神である四弘誓願を建学の精神として掲げられました。
入学式でお念珠と礼讃抄を配布され、「なぜお念珠?」ときっと戸惑ったであろう新入生の皆さんに、築地本願寺を実際に参拝することで、本学の歴史と建学の精神を目で見て身をもって感じてもらおうと、創立100周年を迎えた2024年より始まったのがこの「新入生築地本願寺参拝」なのです!
今回は、「築地本願寺参拝2日目」の様子とともに、 その裏側で奮闘する大学職員の姿もあわせてお届けしますね♪
築地本願寺の境内に建てられた日本赤十字社の病舎を譲り受け、武蔵野女子学院は創設された(現在、建造物保存修理工事中)
創設時の築地校舎(1924年)
築地本願寺に設置された学校法人武蔵野大学創立100周年記念碑
築地本願寺参拝2日目。暴風&雨の中大奮闘する職員たち
「ちょっと待って。2日目ということは、1日目もあるの?」と思われた方、ご名答です。
この新入生による築地本願寺参拝は、2日間にわたり計6回行われる、本学にとっても大変規模の大きなイベントなのです。
築地本願寺の本堂の座席数は542席。対して参拝する新入生は約2,670名。全員に参拝してもらうためには2日間で計6回、学部・研究科ごとに分けなくてはなりません。
しかも築地本願寺は国内外から多くの参拝者が訪れる場所でもあり、1年365日、1日も休むことなくその門は開かれています。たとえ築地本願寺内でイベントが行われていても例外ではありません。一般参拝者もいる中、いかにスムーズに混乱をきたすことなく学生の入れ替えを行えるか…運営側の手腕が非常に問われるところです。
築地本願寺参拝の2日目である4月10日は、あいにくの暴風&雨予報。朝7時45分、現場にはそのミッションを完遂するべく、職員45名が集結しました。
全体に目を光らせる統括責任者飯塚部長統括責任者である飯塚部長から、あいにくの天候であること、スムーズな誘導がより一層必要とされることが伝えられます。それを聞く職員の顔も真剣そのもの。「参拝を成功させるんだ」という気合がみなぎっているようです。
この日、1回目に参拝するのはグローバル学部・ウェルビーイング学部・言語文化研究科・ウェルビーイング研究科・仏教学研究科の新入生。8時30分を過ぎると続々と学生が築地本願寺に集まってきました。雨もパラパラと降り始めています。
最寄り駅から築地本願寺まで、受付から待機場所まで、待機場所から本堂まで。配置された職員のよどみない誘導により、学生は一切迷うことなく本堂まで進むことができました。
仏教って?本学の成り立ちって?建学の精神って?
午前9時ちょうど。入学式で配布された真新しいお念珠を左手に、新入生が参拝に臨みました。
合掌・礼拝の後、重誓偈のお勤めの中行われる代表焼香。
その厳かな光景に、新入生はもちろん、後方で見学していた外国人参拝者も興味津々の様子です。
これまで「仏教」に触れる機会があまりなかったであろう新入生に向けて、まずは築地本願寺副宗務長 木村 共宏師より、築地本願寺の歴史や本学とのつながり、AI時代に必要とされる人としての高い倫理観についてお話いただきました。築地本願寺は火災により2度も焼失していたんですね。知りませんでした。
続いて、本法人の釈徹宗総長からは、「仏教基本編」ともいえるお荘厳の意味や、阿弥陀如来の手の形や額の白毫(イボじゃなくて髪の毛だった!)、半眼に込められた意味についてのお話がありました。
「半眼とは半分は外の世界をみて、半分は内面の世界をみて、ということ。皆さんも目を大きく開いて、他者を見つめ、社会を見つめ、専門の学びを見つめるのと同時に、いつも半分は自分の内面を見てよくよく観察するというのをおすすめします」と締めくくられました。
最後は小西聖子学長の登場です。関東大震災で焼失した築地本願寺の境内に建てられた病舎を譲り受けて武蔵野女子学院が開校されたという本学の原点に加えて、ご自身の専門である被害者支援の見地から「テキストを見て、知識を身に付けるだけでわかったつもりになってはいけない。困っている人の声に耳を傾け、現実を知り体験し、広い視野と深い心をもって向き合う4年間を過ごしてほしい」と新入生に向けてメッセージを贈りました。
実はこの日2回目の参拝では、築地本願寺宗務長である尾井 貴童師からも「他者を大事に慈しむ、自分以外の命をしっかりと大切にする心を育んでいくのが仏教精神。寛容な精神をもって4年間、優しい学生に育ってほしい」とご挨拶いただきました。
どのご挨拶にも共通するのは「自分だけではなく、他者に目を向ける、他者を慈しむ」ことの大切さです。本学の建学の精神、四弘誓願にある「生きとし生けるものが 幸せになるために」を実現するために必要なのは、シンプルに「寛容で優しい心」を持つことなのかもしれませんね。
さてさてその裏では…
しとしとと雨が降り強い風も吹きつけて傘をさしていられないほどのお天気の中、規制退場する第1回目の新入生と入れ替わるように、9時40分、第2回目の新入生が入場を始めました。
締めくくりとなるこの回は、工学部、文学部、アントレプレナーシップ学部、工学研究科、環境学研究科、文学研究科の新入生が参拝します。
退場と入場の導線が混じらないように誘導する職員の姿は、さながらラッシュ時の駅員さんのよう。しかし、参拝も最終回ともなると、誘導にあたる職員の動きもこなれ、その表情からは多少の余裕すら感じられます。
10時40分。混乱をきたすことなく最終回の新入生が退場を終えると、職員たちは11時10分の完全撤収を目指してラストスパート!
任務をまっとうし集合場所に戻った職員の顔には、ようやく安堵の色が浮かびます。統括責任者の飯塚部長から、全ての回の参拝を滞りなく終えることができたこと、運営に携わった職員への労いの挨拶があり、新入生築地本願寺参拝は、今年度も無事に終了いたしました。時計を見ると11時ちょうど。さすがさすがのオンタイム進行です!
八幡課長が語る ― 新入生築地参拝に込められた思い
一大イベントである「新入生築地参拝」は、このように無事に幕を閉じましたが、その成功の裏には並々ならぬ思いや準備があったはず。
そこで最後に、副責任者のお一人である八幡課長に、今回どのような思いで「新入生築地参拝」に臨んだかをお聞きしました。

副責任者
八幡課長
新入生の皆さんが、築地本願寺での参拝を心に残る素敵な体験にできるよう、入念な準備を整えて当日を迎えました。
荒天の中でしたが、新入生の皆さんの真摯な姿に、本学の建学の精神を大切に受け止めようとする意志を感じ、胸が熱くなりました。
ここで触れた寛容で優しい心を抱き、これから実り多き学生生活を歩んでいただけるよう願っています。
本学の歴史と建学の精神を辿る新入生築地本願寺参拝。新入生を迎えるこの特別な時間は、来年度へと受け継がれていきます。
この参拝を通して、新入生のこれからの4年間が、「生きとし生けるものが幸せになるために」自分を見つめ、他者に寛容で優しくあれる時間となることを願ってやみません。
令和8年度 新入生築地本願寺参拝時のご挨拶文はこちらから

















コメントをもっと見る