校友トピックス

令和7年12月の聖語

静謐の聖語板に見出してきたこと

有明キャンパス正門、武蔵野キャンパス正門・北門に設置されている「聖語板」を覚えていますか?
先人のことばを月替わりに掲示しています。
在学時、何気なく見過ごした言葉、瞬時に腑に落ちた言葉、場面を具体的にイメージできる一文、また、思わずその意味を自身に問い掛けた経験はありませんか。
そして、1カ月間、朝に夕に目にすることで、じっくりと心に沁みこんでくる言葉がありませんでしたか?
今も変わらず、「聖語板」は学生に、教職員に、大学を訪れる人に静かに語りかけています。

12月の聖語

「誰かと交わるときには 自分自身を謙虚に見つめ
相手に最高の敬意をもって 心の底から敬うことができますように」

チベット 心を訓練する八つの詩頌より

今月の聖語は、チベット仏教の偉大な師であるランリ・タンパ・ドルジェ・センゲが著した「心を訓練する八つの詩頌ししよう」からの教えの一つです。

この教えを見てフィギュアスケーターの羽生結弦さんが試合後のインタビューで答えた「すべてが僕にとって追いかける背中です」という言葉を思い出しました。

2017年ヘルシンキで開催された世界選手権で歴代最高得点を更新し王座奪還を果たした羽生さん。世界1位になった直後であるにもかかわらず、その発言はとても謙虚なものでした。

「追いかけられる立場とよく言われるけど、ショートプログラムで分かったように、まだまだ追いかける背中がたくさんある。~中略~ 若い選手にもたくさん強い選手がいて、それぞれが僕にないもの、長所を持っている。すべてが僕にとって追いかける背中です」

世界で1番になり多少強気に振舞ってもよさそうな場面においても、謙虚な気持ちを忘れることなくしかもライバルの力を認め尊重できる。「なんて素晴らしい人なんだ!」と心の底から感心してしまいました。

羽生さんに限らず、世界の頂点に立つ人物ほどそのふるまいは謙虚であり、他者を軽んじることはありません。その道を極めるほどに自らの未熟さを思い知り、すると自然に他者を敬う気持ち、他者から学ぶ気持ちも生まれてくるのではないでしょうか。

12月、毎朝聖語板を目にするたびに「謙虚に謙虚に」とひとりごちる師走なのでありました。

参照元:ダライ・ラマ14世 テンジン・ギャツォ『ダライ・ラマ 他者と共に生きる』|春秋社

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