校友トピックス

令和8年9月の聖語

静謐の聖語板に見出してきたこと

有明キャンパス正門、武蔵野キャンパス正門・北門に設置されている「聖語板」を覚えていますか?
先人のことばを月替わりに掲示しています。
在学時、何気なく見過ごした言葉、瞬時に腑に落ちた言葉、場面を具体的にイメージできる一文、また、思わずその意味を自身に問い掛けた経験はありませんか。
そして、1カ月間、朝に夕に目にすることで、じっくりと心に沁みこんでくる言葉がありませんでしたか?
今も変わらず、「聖語板」は学生に、教職員に、大学を訪れる人に静かに語りかけています。

9月の聖語

「今日は昨日よりも新しい、何かの知識か技能かを自分のものに致しましょう」

高楠順次郎「五戒」の第四

今月の聖語は学祖 高楠順次郎先生が奨励される「五戒」の一つです。礼讃抄にも掲載されているこの「五戒」を懐かしく思われる方も多いのではないでしょうか。

【学祖 高楠順次郎先生奨励の「五戒」】

一、今日は少なくとも一度、「有難いな」という感じを持ちましょう。
二、今日は少なくとも一度、「苦しいな」と思うことをやり遂げてみましょう。
三、今日は少なくとも一度、人に譲りましょう。
四、今日は昨日よりも新しい、何かの知識か技能かを自分のものに致しましょう。
五、今日は少なくとも一度、にこやかに語りましょう。

(『礼讃抄』P16)

継続して積み重ねたことが花開く瞬間を目にしたとき、「自分も続けていれば、今頃違う景色が見えていたのかもな…」なんて思うことありませんか?

「もしも、子どものころ習っていたピアノを続けていたら」
「もしも、毎日コツコツと英単語を5つおぼえていたら」

目の前に映る景色は、今とは少し違っていたかもしれません。

以前、52歳から独学でピアノを始めた海苔漁師の徳永義昭さんが、7年の歳月を経てフジコ・ヘミング氏の前で「ラ・カンパネラ」を演奏するというテレビ番組を見ました。

「ラ・カンパネラ」はフランツ・リストのピアノ曲で、超絶技巧を要すると言われている難曲です。ある日テレビから流れてきたフジコ・ヘミング氏の「ラ・カンパネラ」の演奏に心打たれた徳永さんはこの難曲に挑むことを決意。最初の1年間は1日8時間から10時間も練習に励んだそうです。

そこからコツコツ練習を重ねること7年。テレビ番組の企画に応募し、ついにフジコ・ヘミング氏の前で「ラ・カンパネラ」を演奏するに至りました。フジコ・ヘミング氏は徳永さんの指を見て「演奏家の指だわ」と言ったそうです。

その後、徳永さんはフジコ・ヘミング氏のコンサートの前座を3回務めたとのこと。努力し続け、新しい知識・技能を手にした徳永さんは、新たな景色をのぞむ扉を自らの手で開いたのです。

徳永さんを見て思うのは、「継続することの大切さ」に加えて、「何かを始めるのに遅すぎることはない」ということ。

「この年から始めてもな…」と二の足を踏んでいるなら、5分でいいので、まずは手をつけてみませんか?コツコツ毎日積み重ねていけば、それはいつしかあなたの血肉となり、いずれ新しい景色が見えてくるかもしれません。

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